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喫茶店にて [短編]
萩原朔太郎
http://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/509_21645.html
いつから行ってないかな、喫茶店。
NYには日本みたいな喫茶店がなかなかない。
お茶がメインでできるところといえば
"カフェ" か "ダイナー" になるんだけど
日本のソレとは大違い。
シッポリと独りの時間に浸ろうと思ったら
そういう小宇宙を気合いで作らなきゃいけないような
喧しくて忙しないカフェやダイナーがほとんど。
ウチの近所のオープン・カフェなんかは
外からのムードは良さそうに見えても
中に入ると必ずと言っていいくらいワイド液晶TVがあって
常にサッカーの試合が垂れ流しっぱなし。
(ギリシャ人、アイルランド人、ブラジル人が多い街なので
いつでもサッカーが見られる環境命!なのです)
サッカーじゃないところは、メジャーリーグ。
そんなとこでわざわざお金払って自分宇宙作るのも「?」で
本来の目的(お茶でも飲みながらボーっとしようっていう
ほとんど無目的な目的)は叶えられそうにないから
よっ ぽど気に入ったお店が見つからない限り
行くことがなくなってしまった。
でも、周りを見渡すとそんなワサワサなお店でも
アメリカ人というか、現地人たちは
そういう状況にまったく左右されないで
自分の空間と時間をエンジョイしているというか
場に溶け込みつつ各個人の目的を果たしてるというか
(静か〜に本読んでたり書き物してたりPCしてたり)
全然他人が気になってない様子というか。
悪く言えば、神経太い。というか。
そういうところは、「すげぇ」「勝てねぇ」と
べつに勝ち負けなんかはないけど、そう思ってしまいます。
今度東京に帰ったら、ゆっ くり落ち着ける
紅茶の美味しい喫茶店に行きたいです。
うん。切に行きたいかも!
ちょっと朔太郎さんの『喫茶店にて』からは
かけ離れた話しになっちゃいました。失礼っ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/509_21645.html
いつから行ってないかな、喫茶店。
NYには日本みたいな喫茶店がなかなかない。
お茶がメインでできるところといえば
"カフェ" か "ダイナー" になるんだけど
日本のソレとは大違い。
シッポリと独りの時間に浸ろうと思ったら
そういう小宇宙を気合いで作らなきゃいけないような
喧しくて忙しないカフェやダイナーがほとんど。
ウチの近所のオープン・カフェなんかは
外からのムードは良さそうに見えても
中に入ると必ずと言っていいくらいワイド液晶TVがあって
常にサッカーの試合が垂れ流しっぱなし。
(ギリシャ人、アイルランド人、ブラジル人が多い街なので
いつでもサッカーが見られる環境命!なのです)
サッカーじゃないところは、メジャーリーグ。
そんなとこでわざわざお金払って自分宇宙作るのも「?」で
本来の目的(お茶でも飲みながらボーっとしようっていう
ほとんど無目的な目的)は叶えられそうにないから
よっ ぽど気に入ったお店が見つからない限り
行くことがなくなってしまった。
でも、周りを見渡すとそんなワサワサなお店でも
アメリカ人というか、現地人たちは
そういう状況にまったく左右されないで
自分の空間と時間をエンジョイしているというか
場に溶け込みつつ各個人の目的を果たしてるというか
(静か〜に本読んでたり書き物してたりPCしてたり)
全然他人が気になってない様子というか。
悪く言えば、神経太い。というか。
そういうところは、「すげぇ」「勝てねぇ」と
べつに勝ち負けなんかはないけど、そう思ってしまいます。
今度東京に帰ったら、ゆっ くり落ち着ける
紅茶の美味しい喫茶店に行きたいです。
うん。切に行きたいかも!
ちょっと朔太郎さんの『喫茶店にて』からは
かけ離れた話しになっちゃいました。失礼っ。
ゴオルドラッシュ [詩]
詩以外に童話や漫画、絵画作品も残した小熊秀雄。
リアルでエネルギッシュで自由で、ずいぶんと衝撃的だった。
朔太郎さん同様、言葉から絵が次から次に浮かんできて。
凄すぎて笑いまで出てきてしまう。
個人的にはそんな「ゴオルドラッシュ」
かなりPUNKだなあとも。
***************************************************
とんでもない話が、
北から舞ひこんできただ、
お前さんグズグズするな、
そこいら辺にあるロクでもねいものは、
みんなほうり投げて出かけべい。
家にも、畑にも別れべい、
いまさら未練がましく
縁の下なんかのぞくでねいぞ。
どうせ不景気つづきで此処まで来ただ、
札束、縁の下に隠してあるわけなかべ。
餓鬼を学校さ、迎へに行つてこいよ、
授業中であらうが
かまふもんか引つぱつて来い。
若し先生が文句、云つたら
かまふもんかどやシつけて来い
——まだ授業料、収めねい餓鬼は手を挙げろ! と
ぬかしくさつた
地主の下働き奴が
貧乏なわし等の餓鬼つかまへて
雀の子ぢや、あんめいし
今更チウでもコウでもねいもんだ。
さあ、餓鬼にもスコップ持たして
河の中、ホックリ返へさせるだに。
手といつたら猫の手でも借りたい
砂金掘りだに——。
わしの餓鬼をわしが連れて行くだに、
明日は村ぢうの餓鬼は一人も
学校さ、行かねいだらうと、云つて来い、
何をあわてて、カカア脚絆裏返しにはくだ。
わしも六十になつて
今更、山を七つも越して行き度くねいだが、
ヅングリ、ムックリ、ろくに口も利かねいで、
百姓は百姓らしくと思ひこんで、
あれもハイ、これもハイと、
お上の、おつしやる通り貧乏してきただ
山を七つ越せば、
キラキラ、金がみつかるとは——、
何たるこつちや、今時、冥利(みやうり)がつきる
やい、ウヌは何をぼんやり
気抜けのやうに立つてけつかる、
その繩を、こつちの袋に入れるだ。
唐鍬を入れたら砥石を忘れるなよ。
これ以上、貧乏する根気が無うなつたわい、
破れかぶれで、この爺が山越えする気持は、
村の衆の誰の気持とも同じだべ、
やあ、やあ、空がカッと明るくなつたわ、
未練がましい家へ火をつけた。
それもよかべ、度胸がきまるべ、
ついでに其の火の中へ
餓鬼を投りこんだら、尚更な——、
身軽になつたら
さあ、出かけべい村の衆。
明日はこの村には役場と駐在所だけが
ポツンと立つてゐべい、
村はみなガラあきになるべ、
やれ、威勢よく、石油鑵、誰が、ブッ敲くだ、
どんどん、タイマツつけて賑やかなこつた。
馬の野郎まで
行きがけの駄賃に、
馬小屋のハメ板ケッ飛ばしてゐるだ、
俺達も別れに、
役所の玄関に
ショウベン、じやあ/\やつて行くべよ。
何を、嫁はメソ/\泣いてゐるだ、
どうせ太鼓腹、
ツン出しては歩るきにくかべ、
腹の子、オリないやうに馬車の上に
うんとこさ、布団重ねて
乗つて行つたらよかべ。
——お天道さまと、生水とは
何処へ行つてもつきものだに。
河原に着いたら餓鬼共の、
頭、河に突込んで
腹、さけるほど水のませろ、
ヘド吐いたら、砂金飛び出すべよ。
せつぱつまつた村の衆の
七つの山越だに。
焼くものは、焼くだ、
ブッ潰すものは、ブッ潰し、
一つも未練残らねいやうにしろ。
生物といつたら
ひとつも忘れるでねいぞ、
村ひとつブッ潰し
砂金山へ出かけるだ、
行列、三町つづいて
たいまつ、マンドロだ、
牛もうもう、猫にやんにやん、
なんと賑やかなこつた、
山七つ越して
河床、ひつくりかへして
もし砂金なかつたら
また、山七つ越すべいよ
そこにも砂金なかつたら
また、山七つ越すべい
そこにも砂金なかつたら
また、山七つ越して町へ出べい、
町へ出たら、ズラリ行列
官庁の前にならべて皆舌べろりと
出したらよかべいよ、
歳がしらのわしが音頭とつたら
皆揃つて舌噛み切つて死ぬべ。
from 新版・小熊秀雄全集第2巻(創樹社)
リアルでエネルギッシュで自由で、ずいぶんと衝撃的だった。
朔太郎さん同様、言葉から絵が次から次に浮かんできて。
凄すぎて笑いまで出てきてしまう。
個人的にはそんな「ゴオルドラッシュ」
かなりPUNKだなあとも。
***************************************************
とんでもない話が、
北から舞ひこんできただ、
お前さんグズグズするな、
そこいら辺にあるロクでもねいものは、
みんなほうり投げて出かけべい。
家にも、畑にも別れべい、
いまさら未練がましく
縁の下なんかのぞくでねいぞ。
どうせ不景気つづきで此処まで来ただ、
札束、縁の下に隠してあるわけなかべ。
餓鬼を学校さ、迎へに行つてこいよ、
授業中であらうが
かまふもんか引つぱつて来い。
若し先生が文句、云つたら
かまふもんかどやシつけて来い
——まだ授業料、収めねい餓鬼は手を挙げろ! と
ぬかしくさつた
地主の下働き奴が
貧乏なわし等の餓鬼つかまへて
雀の子ぢや、あんめいし
今更チウでもコウでもねいもんだ。
さあ、餓鬼にもスコップ持たして
河の中、ホックリ返へさせるだに。
手といつたら猫の手でも借りたい
砂金掘りだに——。
わしの餓鬼をわしが連れて行くだに、
明日は村ぢうの餓鬼は一人も
学校さ、行かねいだらうと、云つて来い、
何をあわてて、カカア脚絆裏返しにはくだ。
わしも六十になつて
今更、山を七つも越して行き度くねいだが、
ヅングリ、ムックリ、ろくに口も利かねいで、
百姓は百姓らしくと思ひこんで、
あれもハイ、これもハイと、
お上の、おつしやる通り貧乏してきただ
山を七つ越せば、
キラキラ、金がみつかるとは——、
何たるこつちや、今時、冥利(みやうり)がつきる
やい、ウヌは何をぼんやり
気抜けのやうに立つてけつかる、
その繩を、こつちの袋に入れるだ。
唐鍬を入れたら砥石を忘れるなよ。
これ以上、貧乏する根気が無うなつたわい、
破れかぶれで、この爺が山越えする気持は、
村の衆の誰の気持とも同じだべ、
やあ、やあ、空がカッと明るくなつたわ、
未練がましい家へ火をつけた。
それもよかべ、度胸がきまるべ、
ついでに其の火の中へ
餓鬼を投りこんだら、尚更な——、
身軽になつたら
さあ、出かけべい村の衆。
明日はこの村には役場と駐在所だけが
ポツンと立つてゐべい、
村はみなガラあきになるべ、
やれ、威勢よく、石油鑵、誰が、ブッ敲くだ、
どんどん、タイマツつけて賑やかなこつた。
馬の野郎まで
行きがけの駄賃に、
馬小屋のハメ板ケッ飛ばしてゐるだ、
俺達も別れに、
役所の玄関に
ショウベン、じやあ/\やつて行くべよ。
何を、嫁はメソ/\泣いてゐるだ、
どうせ太鼓腹、
ツン出しては歩るきにくかべ、
腹の子、オリないやうに馬車の上に
うんとこさ、布団重ねて
乗つて行つたらよかべ。
——お天道さまと、生水とは
何処へ行つてもつきものだに。
河原に着いたら餓鬼共の、
頭、河に突込んで
腹、さけるほど水のませろ、
ヘド吐いたら、砂金飛び出すべよ。
せつぱつまつた村の衆の
七つの山越だに。
焼くものは、焼くだ、
ブッ潰すものは、ブッ潰し、
一つも未練残らねいやうにしろ。
生物といつたら
ひとつも忘れるでねいぞ、
村ひとつブッ潰し
砂金山へ出かけるだ、
行列、三町つづいて
たいまつ、マンドロだ、
牛もうもう、猫にやんにやん、
なんと賑やかなこつた、
山七つ越して
河床、ひつくりかへして
もし砂金なかつたら
また、山七つ越すべいよ
そこにも砂金なかつたら
また、山七つ越すべい
そこにも砂金なかつたら
また、山七つ越して町へ出べい、
町へ出たら、ズラリ行列
官庁の前にならべて皆舌べろりと
出したらよかべいよ、
歳がしらのわしが音頭とつたら
皆揃つて舌噛み切つて死ぬべ。
from 新版・小熊秀雄全集第2巻(創樹社)
一千一秒物語 [短編]
20年くらい前に勤めてた会社を辞めるとき
制作部の上司がプレゼントしてくれた
稲垣足穂の短編『一千一秒物語』
1969年版で表紙も中身もすでにボロボロ。
黄色くなったページをめくると
目の前がもっと黄色になってクラっとするような宇宙が
こんな具合に。
ある晩 黒猫をつかまえて鋏でしっぽを切るとパチン!
黄色い煙になってしまった頭の上でキャッ!
窓をあけると 尾のないホーキ星が逃げて行くのが見えた。
「お月様が出ているね」
「あいつはブリキ製です」
「なに、ブリキ製だって?」
「ええどうせ旦那、ニッケルメッキですよ」

右のサイドバーにある本棚 "Booklog" にもいまーす。
(表紙は新しい違うのだけど)
とてーも "旅行" ができる一冊☆
制作部の上司がプレゼントしてくれた
稲垣足穂の短編『一千一秒物語』
1969年版で表紙も中身もすでにボロボロ。
黄色くなったページをめくると
目の前がもっと黄色になってクラっとするような宇宙が
こんな具合に。
ある晩 黒猫をつかまえて鋏でしっぽを切るとパチン!
黄色い煙になってしまった頭の上でキャッ!
窓をあけると 尾のないホーキ星が逃げて行くのが見えた。
「お月様が出ているね」
「あいつはブリキ製です」
「なに、ブリキ製だって?」
「ええどうせ旦那、ニッケルメッキですよ」

右のサイドバーにある本棚 "Booklog" にもいまーす。
(表紙は新しい違うのだけど)
とてーも "旅行" ができる一冊☆
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